ご挨拶

はじめに

日頃より千葉商船をお引き立ていただき誠にありがとうございます。 弊社は、2019年10月をもちまして創業40周年を迎えることができました。 これもひとえに皆様のご支援の賜物と存じ、役員・職員を代表して心より深謝申し上げる次第でございます。
弊社の船主業としての使命は、「海を利用する者として特に海洋環境保全・安全航海を旨として」、「海上物流のいち担い手として貢献し」、「経済変動に左右されることなく、確実、迅速と経済性を求めて仕事をし、お客様に信頼を得る」ことであると考えております。
そして、「お客様の要望に副うべく仕事をする」という経営方針のもと、先見性を以って永続的経営基盤を強化し、健全で堅実な経営に努力してまいりました。

海の利用者としての責務を果たす

弊社は、海を利用する者としての果たすべき最低限の責務として海洋環境保全を心がけ、活動の基盤として安全確保を行うことに最善の努力を尽くしてまいりました。船舶の操船は「ひと」が行うも、「人的ミスはゼロにはならない」ことを前提として、優秀な船員の採用・育成および適材適所の実行はもちろんのこと、事故の再発防止策と2次的な災害発生の防止策の徹底を心がけてきました。お客様のご協力も有り、お蔭様で重大事故も無く、創立40周年を迎えることができましたこと、皆様に深く感謝申し上げます。
また、昨今は温暖化の影響を受けて予測不可能な局地的気象・海象の急変による海上リスクを抱えるようになり、いっそうの安全対策が要求されることになりました。 海洋汚染につながる重大事故が未然に防げれば、海の利用者としての責務を果たせることになると信じて、今後も努めてまいります。

経営の強化

2008年秋の金融危機を引き金とした世界経済の大混乱は「百年に一度の危機」と呼ばれ、国際的過剰資金による金融商品が作りあげた、大規模バブル経済をベースに経営をしていた世界の巨大資本企業は、一瞬のうちに収支悪化に追い込まれ、その修復の為に今まで会社を支えてきた大勢の社員を犠牲にせざるを得ない状況にまで陥りました。この景気後退は海運事業をめぐる経営環境にもたいへん大きな影響をあたえました。
弊社は、資本金5千万円にも満たない企業ですので、巨大資本企業と同じ経営をしていては修復の余地も無く経営破綻していたでしょう。これまで、経営方針のひとつでもある「大きく変化する経済変動に影響されない経営」を継続的に実行し、本業である船舶設備事業(オーナー業)をキャッシュフロー経営前提に展開してまいりましたことは、今般の金融危機への対応の支えになるとともに、お客様への安定した船舶のご提供を継続する基盤となりました。また、お客様のニーズと弊社の方針が相俟って、30隻(2019年10月末日現在)の船舶保有が可能となり、特にVLCCの保有実績は、2019年4月に竣工したAPPOLO ENERGYで延べ13隻となりました。
さて、最近の世界経済はアメリカ、EUなどの先進国を中心に諸問題をかかえているものの、穏やかな回復傾向となりました。一方、お隣の中国経済についてはかつての勢いを失いつつあり、今後の動向には留意が必要です。また地政学的リスクの高まりや産業構造の変化など、世界情勢は目まぐるしく変化しつつあります。
このような加速的に変化する時代であっても、千葉商船は舵を切り間違えることなく、新自由主義経済という大海原に現在地と目的地を確実に見極めることができるよう、一層の経営強化を図ってまいります。

お客様より信頼を得るために

船主業は安全で堪航性・経済性のある船舶を長期に渡り用船社様にご提供すること、また一方で、巨額な建造資金の借入れを金融機関の皆様に約定どおりに確実にご返済することにより信頼を築くことが可能となります。だからこそ、お客様からの確かな信用を積み上げていくことが最も重要であり、いつの時代もその本質は変わらないものであると考えております。お客様の立場で価値の高いサービスをご提供するために、弊社では役員・社員一人ひとりが海運のプロフェッショナルとして、日々、自己啓発に努め、お客様のご要望やご相談などに対して、確実、迅速に対応することを心がけております。
また、お客様からのご意見は真摯に受止め、必ず業務の改善合理化に活かしてまいります。 さらに、船主業は経済性が求められるため、資金調達に競争力をもたせるべく財務体質の健全性を今後とも追求してまいります。

おわりに

これまでの40年間に渡る弊社の歴史を踏まえ、今後とも海上物流を支える海運のいち担い手として貢献し、常にお客様の視点に立ち、「お客様の利益につながる船舶の提供」と、財務体質のしっかりとした会社を目指してまいります。
また、いつの時代も、「お客様のご要望に副うべく仕事し、お客様の信頼を得られる会社」であり続けるために、役員・社員一同、誠心誠意取組んでまいりますので、引続きご支援、ご愛顧賜りますようよろしくお願い申し上げます。